アクセシビリティとは?具体的な機能をiPhone・Android™に分けて解説

アクセシビリティとは、機器やサービスの利用しやすさを意味する用語です。
また、誰もが利用しやすいように搭載されている機能を、アクセシビリティ機能と呼ぶこともあります。
アクセシビリティの詳細や、ウェブアクセシビリティやユーザビリティとの違い、iPhoneとAndroid™に搭載されたアクセシビリティ機能を紹介します。
アクセシビリティとは?

アクセシビリティ(accessibility)とは、「利用しやすさ」「便利なこと」を意味する英語です。高齢者や障がいがある方をはじめとしてすべての人が製品やサービスを利用できること、そして、誰にとっても利用しやすいことを指します。
2024年4月1日には障害者差別解消法(障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律)が改正され、国や地方自治体などの公的機関に義務付けられている合理的配慮が、民間事業者にも義務化されました。
合理的配慮とは社会生活の中で存在する障壁を、負担になりすぎない範囲で対応することです。たとえば、移動を車椅子でできるように建物内のバリアフリー化を進める、手話や筆談に対応するといったことが求められるようになっています。
アクセシビリティとユーザビリティの違い
アクセシビリティとは、アクセスできること、つまり、ユーザーが必要とする情報にたどり着き、内容を取得できることを指します。
一方、ユーザビリティ(usability)とは、ユーザーが必要とする情報を取得できることを前提に、使いやすさやわかりやすさを表す概念です。アクセシビリティを確保したうえで、ユーザビリティを高めることがすべての事業者に求められています。
iPhoneのアクセシビリティ機能
使いやすさや利便性を高めるための機能を「アクセシビリティ機能」と呼びます。
iPhoneにはさまざまなアクセシビリティ機能が搭載されています。具体例と利用方法を見ていきましょう。
Apple WatchやAirPodsとのペアリング
Apple WatchやAirPodsは、原則としてiPhoneとペアリングして利用する機器です。ペアリングとは、特定の機器を無線で認識させることです。
ペアリングすることでiPhoneやパソコンの通知をApple Watchでも見られたり、ニュースや動画などを閲覧したりできます。
また、AirPodsはフタを開けるだけでiPhoneに接続できて、無線で音楽や動画を楽しめます。
ペアリングをする前に、まずは以下の要件を満たしているか確認しておきましょう。
iPhoneとApple Watchのペアリングの必要要件
- iPhone:iOS 18以降を搭載したiPhone XS以降
- Apple Watch:watchOS 11以降を搭載したApple Watch SE(第2世代)、Apple Watch Series 6以降、Apple Watch Ultra、Apple Watch Ultra 2
上記の要件を満たしている場合は、以下の手順でiPhoneとApple Watchをペアリングしましょう。
iPhoneとApple Watchをペアリングする手順
- Apple WatchのサイドボタンをAppleのロゴが表示されるまで長押しする
- iPhoneをApple Watchに近付け、iPhoneにApple Watchのペアリング用の画面が表示されるのを待つ
- ペアリング画面が表示されたら、「続ける」をタップする
- 「自分用に設定」をタップし、画面の案内に従う
- 「Apple Watchを設定」をタップし、画面の案内に従う
- 「完了」をタップする
- モバイル通信機能付きのApple Watchはモバイル通信サービスをアクティベートする。それ以外はiPhoneの「Apple Watch」アプリでアクティベートする
- iPhoneとApple Watchを近付けて同期する
iPhoneとAirPodsのペアリングは以下の手順です。
iPhoneとAirPodsをペアリングする手順
- iPhoneの「設定」をタップする
- 「BLUETOOTH」を選択してからオンにする
- iPhoneのホーム画面に移動する
- AirPods(1、2、3、4)とAirPods ProはAirPodsが入ったケースの蓋を開けてiPhoneに近付ける。AirPods MaxはSmart Caseから取り出してiPhoneに近付ける
- 画面に表示される指示に従って操作し、「完了」をタップする
ペアリングは最初の1回のみ実施すれば、次回以降は自動的に実施されるため、電源を入れるだけで同じApple WatchやAirPodsを使ってiPhoneの音を聴けます。
アクティブノイズキャンセリング
iPhoneとのペアリングを実施すると、アクティブノイズキャンセリングといったAirPodsのオプション機能を使えるようになります。
アクティブノイズキャンセリングとは、周囲の音をどの程度聞き取りたいかによって外部音を取り込む量を調整し、不要な音を取り除く機能です。以下の手順で設定しましょう。
ペアリングしたAirPodsのアクティブノイズキャンセリングの設定手順
- iPhoneの画面の右上隅から下方向にスワイプして、コントロールセンターを開く
- AirPodsを装着した状態で、音量スライダを長押しする
- 追加のコントロールが表示されたら、画面左下隅のノイズコントロールボタンをタップする
- 目的に合ったノイズコントロールモードをタップする
アクティブノイズキャンセリングは、対象のAirPodsのみ利用できる機能です。また、AirPodsが耳にしっかりと収まっているときに本領を発揮する点にも注意が必要です。
ミラーリング
ミラーリングとは、インターネット機器の画面を異なるインターネット機器で閲覧・操作できる機能です。たとえば、iPhoneミラーリングを使うと、Macの画面でiPhoneのアプリや通知を操作できます。iPhoneがロックされた状態でも操作できるため、離れた場所にiPhoneが置かれていても、ほかの人はiPhoneの画面や操作内容を閲覧できません。
macOS Sequoia 15以降に搭載されているiPhoneミラーリングは、以下の手順で設定します。
iPhoneミラーリングの設定手順
- 「アプリケーション」フォルダもしくはLaunchpadから「iPhoneミラーリング」アプリを開く
- iPhoneのロックを解除するメッセージがMacに表示された場合は、iPhoneのパスコードをiPhoneに入力する
- iPhoneからの通知許可を確認するメッセージがMacに表示された場合は、「許可」または「許可しない」をクリックする
- iPhoneへのアクセス時にMacのログインを要求するか確認するメッセージがMacに表示された場合は、毎回確認するか、自動的に認証するかのいずれかを選択する
- 「iPhoneミラーリング」アプリにiPhoneの画面が表示されていれば完了
VoiceOver(ボイスオーバー)
VoiceOver(ボイスオーバー)とは画面を見なくても、音声読み上げによって電話をかけてきた相手やバッテリーレベルを確認できるアクセシビリティ機能です。以下の手順で設定します。
VoiceOverの設定手順
- iPhoneの「設定」をタップする
- 「アクセシビリティ」をタップする
- 「VoiceOver」のON/OFFを切り替える
AssistiveTouch(アシスティブタッチ)
AssistiveTouch(アシスティブタッチ)とは、iPhoneのボタン(iPhoneのサイドや下部に付いた物理的に押すボタン)を押さなくても、iPhone画面上に表示されるボタン(タップで操作する二次元のボタン)で操作できるようになるアクセシビリティ機能です。
AssistiveTouchをONにすると、iPhoneの画面上にボタンが表示され、タップで操作できるようになります。以下の手順で設定してください。
AssistiveTouchの設定手順
- iPhoneの「設定」をタップする
- 「アクセシビリティ」をタップする
- 「AssistiveTouch」のON/OFFを切り替える
Androidのアクセシビリティ機能
Androidにも多くのアクセシビリティ機能が搭載されています。機能の内容や設定手順について見ていきましょう。
ただし、スマホによっては紹介するアクセシビリティ機能が搭載されていないことや、設定手順が異なることがあります。ご利用中のスマホの仕様説明書を確認してから設定するようにしてください。
TalkBack(トークバック)
TalkBack(トークバック)とは、画面を見ずにスマホを操作するアクセシビリティ機能です。TalkBackを有効にすると、声やジェスチャーでスマホの操作ができるようになります。たとえば、画面上に指を置くと、TalkBack機能がアイコンやボタン、アイテムの名前を読み上げたり、操作の候補を音声で提示したりします。
TalkBackは以下のいずれかの方法で有効にしてください。
TalkBack機能を有効にする方法
- 音量大小のボタンを同時に3秒長押しする
- GoogleアシスタントにTalkBackを有効にするように話しかける
- Androidのスマホで「設定」アプリを開き、「ユーザー補助」⇒「TalkBack」⇒「TalkBackを使用する」を選択する
スイッチ アクセス
スイッチ アクセスとは、外付けのスイッチやキーボードを接続するアクセシビリティ機能です。以下の手順で機能を有効にします。
スイッチ アクセスを有効にする手順
- 接続したい機器をAndroidのスマホにUSBもしくはBluetooth®経由で接続する
- Bluetoothで接続する場合は、スマホの「設定」アプリから「Bluetooth」を選択する
- スマホの「設定」アプリを開く
- 「言語と入力」を設定する
- Android 7.0以降は「物理キーボード」⇒「仮想キーボードの表示」を選択する。Android 6.0以前は「現在のキーボード」⇒「ハードウェア」もしくは「スクリーンキーボードを表示する」を選択する
- スキャンの基本設定を選択する
- 「スイッチ アクセスの設定」画面を開く
- 「戻る」ボタンをタップして「スイッチ アクセス」画面に戻る
- 「スイッチ アクセスを使用」をタップする
- 「OK」を選択し、「スイッチ アクセス」をONにする
アクセシビリティに配慮したWebサイト
スマホやタブレットなどのインターネット機器のアクセシビリティが高まっても、Webサイトがアクセシビリティに配慮していなくては、誰もが利用しやすいとはいえません。
ウェブアクセシビリティとは何か、また、アクセシビリティに配慮したWebサイトの特徴について解説します。
ウェブアクセシビリティとは?
ウェブアクセシビリティとは、Webサイトが誰にとっても利用しやすいことと、その度合いを意味する言葉です。
ウェブアクセシビリティを実現するためには、Webサイト自体が見やすさ・使いやすさに配慮して作られているだけでなく、スマホやタブレットといったインターネット機器が使いやすいことも求められます。
年齢や障がいの有無、言語などにかかわらず、すべての人が情報通信を利用するために、ウェブアクセシビリティは欠かせない要素です。
アクセシビリティに配慮したWebサイトの特徴
アクセシビリティに配慮したWebサイトは、文字の見やすさと画像の見やすさに特徴があります。以下で注目したいポイントを紹介します。
文字の見やすさ
文字の見やすさは重要です。たとえば、文字があまりにも小さいと視力によっては見えづらくなりますが、あまりにも大きいと文章として理解することが難しくなったり、何度もスクロールする必要が生じたりするため、すべての人にとって見やすいとはいえません。
また、文字と背景色のコントラストも見やすさを左右する要素です。文字の色と背景色が似ていると、文字を識別しにくくなる恐れがあります。コントラスト比を高く設定し、視力が低い方でも見やすいように調整することが必要です。
単語の間にスペースや改行を入れないことも大切なポイントです。不要なスペースや改行が入ることで、文字が単語や文章として認識されにくくなることがあります。
画像の見やすさ
画像の見やすさも重要な要素です。画像を表記するインターネット機器のサイズにあわせて、画像のサイズが自動調整されるように設定しておくと、画像が極端に大きくあるいは小さくならずに見やすくなります。
代替テキストを設定しておくことも重要なポイントです。音声で読み上げるように設定しておけば、目の不自由な方も画像で表現されていることを理解できます。
また、なんらかのトラブルで画像が表示されない場合も、どのような内容が画像で紹介されていたのか閲覧者に伝わりやすくなります。
映像に字幕を付けることも重要です。映像に字幕を付けると、聴覚に問題がある方が視聴するときや音を出せない環境下でも、映像を楽しみやすくなります。
アクセシビリティに注目してスマホを選ぼう

アクセシビリティ機能を活用することで、より便利かつ快適にスマホを利用できるようになります。搭載されているアクセシビリティ機能は、スマホによって異なります。ぜひアクセシビリティ機能に注目して、スマホを選んでみてはいかがでしょうか。
新しく発売されたスマホは、従来のスマホよりもアクセシビリティ機能が充実している傾向にあります。ご利用中のスマホのアクセシビリティ機能が十分でないときは、新しいスマホに替えてみるのもひとつの方法です。
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